この自分史は、私の6歳から17歳までの記録です。
時代背景としては、1944年(昭和19年)から1957年(昭和32年)までの12年間、ちょうど、私の幼少年期の記録ということになります。
私の家族は大阪に住んでいたのですが、父が戦地に取られ、都会も空襲が激しくなったので、母の郷里である九州の大分に疎開することになったのでした。ちょうど終戦の年、昭和20年の冬のことでした。
戦時の一時避難のつもりが、結局は長い九州生活になり、戦後復員してきた父もその地で商売を始めたこともあって、家族はそのまま、その土地に落ち着いてしまいました。
私は18歳になると同時に、その土地を飛び出してしまいましたが、多感な幼少年期を過した九州時代は、年を経るごとに、私の中で特別な光彩を放ち始めたのでした。
懐かしい人々の顔や声、脳裏に強く焼きついている山や川の情景、それらのひとつひとつに喚起される熱い思いを、どうしても記録に残しておきたいという欲求は次第に強くなっていきました。
その後、父の死をきっかけに、郷里の古い墓地をお参りする機会があり、消えかかった墓碑銘などを記録して整理したり、懐かしい人々のことなどを書き残していくうちに、次第にひとつの回想記らしいものが出来上がっていきました。
書き進めるに当たっては、各章ごとに特定の人物にライトを当てるようにして、その光の反映の中で、自分のことや周りの環境なども書いていくような方法をとりました。
私の当初のもくろみは、力不足もあって、ひとりひとりの人間像を十分に描ききることはできませんでしたが、平凡に生きた人々とその時代背景を、私の記憶を総ざらいして、できるだけのものを書き残したつもりです。
この種のものは、ともすれば、ごく私的な内容になりがちなことも十分承知しております。はたして、客観的な立場で読んでいただけるものかどうかは、正直なところ自信がありません。どうか、その点は自分史という性格上、致し方ないものとしてお許しくださいますよう、切にお願いする次第です。

(2006年12月に細かい修正を行いました。)

                              




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